60才からのひきこもり貧乏ブログ

仕事を半リタイアし、つましい日々の暮らしを綴っています。

知らない人が、自分の家で自殺していた。

涼しくなってきましたね。いかがお過ごしでしょうか。すぐそこに寒い冬がきています。寒がりの自分は、冬が嫌いです。


今は公営住宅に住んでいますが、生家は、ここから車で一時間半くらい行った田舎にあります。


生家は、空き家で、ずっとほったらかしにしておくため、雨漏りもひどく、屋根も部分的に青空が見えるほど朽ち果てきました。


八年くらい前になりますが、生家は不用品置き場になっているので、いらない荷物を持って久しぶりに出かけた時のことです。


庭に5センチくらいの雪が積もっていましたが、一階に荷物を搬入し終わり、二階を見てみようと階段を上り、踊り場まで行くと、見たこともない知らない人が、ロープで首をつって死んでいました。


最初、見たときは、蝋人形のようで、誰かがいたずらで人形をぶら下げて置いたのかと思いましたが、覗き込んで顔をまじかに見ると正真正銘の人間でした。


空き家とはいえ、かってに人の家に忍び込んで自殺するなんてどうかと思いますが、自殺した人にも、それなりの事情があったのでしょう。


自殺者の顔を見ながら「この人の人生は、どんなだったのだろう?」と寂しい気持ちになったものです。


発見してしまった以上、そのままにしておくわけにもいかないので、警察に連絡して処理しました。


あとで、警察から聞いた話ですが、自殺者は、近所の家の人で、自分とは年が離れているため面識はありませんが、婿養子に行った人でした。


二日前に、決行したようで、自分が、何かに惹かれるように「実家に行こう!」と思い立ったのも運命で、この場面にタイミングよく遭遇し、遺体が朽ち果てる前に発見できたわけです。


その家は、百メートルほど下に下がった家で、しばらく空き家になっていましたが火事で全焼してしまい、跡形もなく、本当だったら自殺者の実家となる、その家で死にたかったのかもしれません。


首吊りに使用したロープも持参したようで、生きているのが辛くなり、計画的であり、覚悟の自殺だったらしいです。


人間は、辛くても生きていれば何かいいことがあるかもしれないと、少なからず希望をもって生きています。希望がなくなり、絶望が心を支配すれば人間はもろいものです。


自殺を覚悟するには、勇気がいり、実行するには、さらにいろいろな弊害を乗り越えなければなりません。


まだ、自分には自殺する覚悟がありませんが、明日は我が身となるかもしれません。